【はじめに】
今年度の行木研のメンバーは,11名です(男子:女子=9:2)。現在の
主な研究は,「翻訳系/タンパク質合成系/リボソーム」に関するもので,実験の対象となる生物が,大腸菌,酵母,培養細胞,ゼブラフィッシュというように,幅広いことが当研究室の一つの特徴となっています。
実験テーマはすぐにはわからないと思いますが,「生物・細胞」を成立させているメカニズムをDNAレベル・分子レベルで解き明かそうとしている研究室です。この点に面白さを感じてくれる人,歓迎します。
一方で,研究室で行う実験は個人のものでなく,一つの大きな目標を達成する(論文を書き世界に知らせる)ための重要な一端を担っています。「科学」そして「研究」に対して責任ある行動・態度が必要です(社会人としての一歩です)。
また,実際に実験をする中で,問題点を把握し,その困難を解決し自分でやりぬいたとき初めて,本物の成長をすることができます(社会に出ても負けない力)。これは卒業をした先輩方を見れば一目瞭然です。
【研究概要】 〜誰も知らないことを最初に見つける!〜
ヒトを含め様々な生物種でゲノム配列は明らかになったが,機能が未知な遺伝子・タンパク質は未だ全体の半分を占めます。
我々は,誰も手もつけていないこれら機能未知タンパク質に対し,立体構造やバイオインフォマを手がかりにその機能を予測し,主に分子生物学・生化学的手法を用いてその機能を明らかにしていくことを目標にしています。
これまで,生物種間で非常に保存性が高いが機能未知であったタンパク質[ICT1(ヒトでの名称)/YaeJ(大腸菌での名称)]について,大腸菌,酵母,そしてヒト・マウスの培養細胞を用いて機能探索を試みてきました。
最近やっとこれまでの研究が実り始め,このタンパク質が「何らかの理由で翻訳が滞ってしまったリボソームの停滞を解消をする」ことがわかってきました。この結果は,学会誌への発表そして学会発表を行い高い評価を得ました(発表論文のページ参照)。
ここでは詳細は書けませんが,さらなる機能未知遺伝子の機能解明に進んでいます。
⇒少し詳しい研究室紹介
【現在行っている研究(一例)】
個々の学生と話し合って,最終的に実験テーマを決めます。
(A) 細菌およびミトコンドリアにおける翻訳停滞解消機構(stalled-ribosome rescue)の解明:ICT1/YaeJタンパク質の機能解析
大腸菌あるいは酵母を主に使って様々な手法・角度から研究を行う。
(B)
新規 抗生物質耐性遺伝子の機能解明
(D) ヒト培養細胞を使った核内のパラスペックル形成に寄与するタンパク質の機能探索
(with 食品P 井上研)
(E) 翻訳停滞解消因子のX線結晶解析およびクライオ電子顕微鏡による立体構造解析
(with 愛媛大学 寺脇グループ)
【卒研配属を希望する方へのコメント】
(1) 配属後,「ヴォート生化学(下)第4版」の輪講に参加して頂きます(週一,1月中ごろまで)。転写と翻訳の章のみです。やっている時は大変ですが,終わってみれば予想以上に得るものは多いかと思います(達成感があります)。
そして,3月初めから卒業生からの引き継ぎをしながら実験が始まります。4年次では,11月に中間発表会があります。院試休みも当然あります。
(2) 本研究室を希望する方は,「大学院志望」の方がほとんどです。就活時には,研究・開発職や技術職が多く,直近では食品の開発職です。(「卒業生」のページを参照)。
(3) バイトは,実験・研究と両立できるなら特に問題はないです。
(4) 実験が好きな人には向いています。実験をめんどくさいと少しでも思ってしまう人は,避けた方がいいです。
(5) タバコを吸う人と,ズボンの裾を地面に引きずって歩くのが好きな人は,ご遠慮ください(マジに)。
(6)「人の上に立つ人物になってほしい」と心から思っています。
最後に,厳しいことが多いでしょうが,「発見する」そして「考える」喜びも同じくらいあるでしょう,きっと・・・・・
【連絡先】E-mail: nameki (アット) gunma-u.ac.jp 場所:4号館2階 4210室
(その他)
メールを書く際の注意点
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